先日、ILcieloに平賀緑さんをお招きして
「油」の話をしていただきました。
いつもun learn料理教室では学びの時間も設けています。
ただ、料理する。もちろん料理法を学んで料理するのも楽しいのですが
今の現代、なんだかそれだけではどうなのかな?と自分が感じるところがあり
去年から、自分も学ぶ時間を持つために。今の当たり前だと思っていることを
いちから見直す時間を持つために始めたun learn料理教室でもあります。
「油」っていつから一般に使えるように使うようになったのだろう?
戦後、食の洋風化への推進もあったり、戦争中、餓えに苦しんできたヒトたちが
より栄養を必要としたり、敗戦国日本人をもっと強い身体にするために?
栄養学を学ぶ機会や、フライパン運動、いろんな政策に私たち庶民も踊らされたところも
あるのだと感じます。 どこか?おしゃれな日本人にはなかった感覚への憧れ。
もちろん、わからないでもないのです。
(でも、それには政治的な背景が影を潜んでいることもやはり知っておかないといけないこともあると感じます)
これには、テレビの普及やラジオ、一般のヒトに多くのことを伝えられる手段をみにつけたことも
浸透させやすい一つの要因でもあるのでしょう。
明治時代、大久保利通が畜産を広めようと政策でしたのが失敗に終わった歴史も実はあります。
(このころの方が、庶民は自分で物事を想像できていたのかもしれません。)
今は、情報もたくさんあるけど。健康法とか、これが身体にいいとか。
(テレビのスポンサーの思いのまま?)
そんなことに踊らされてそのまま、鵜呑みにしてしまっているところがあるように思えてなりません。自分で考えることをやめている。。。
抽出された油を使わなくてもそのものの食材にも油脂分は含まれています。
油を使わないとできない。から使わなくてもできる料理を増やしていければいいんじゃないかと思います。今は、毎日が「ハレ」の日の食事になっていて贅沢な食事になりがちです。
そして、たくさん作り過ぎて残して、大切なものがゴミになってしまっている。。。
(その裏側で餓えたヒトが存在する。。。)
知れば知るほど政治的な背景、企業側の背景、経済を発展させるための背景も
関与していることが多々ある。
こんなものに自分たちの暮らしを生き方を左右されないように
一人一人が学んで考えて、想像して次に渡したい世の中を創造していければと願います。
やはり、この中には「お金」という問題も潜んでいるなぁ~と感じます。
「安価なものにするために(コストを抑えるために)」「消費を増やすための戦略?」
その裏で、安く作らされる労働という問題にもつながる。。。
そして、日本の為に作物を作らされた場所では、森林破壊、そこに住む動物たちの
生きる場所を奪われ、自然破壊、様々な問題も浮き彫りになってきます。。。
民俗学の宮本常一も言います。「この世界は庶民が作ってきたものである」と。
「私は長い間歩き続けてきた。そして多くの人にあい、多くのものを見てきた。
その長い道程の中で考えつづけた一つは、いったい進歩というものは何であろうか。
発展とは何であろうかということであった。すべてが進歩しているのであろうか。
進歩に対する迷信が、退歩しつつあるものを進歩と誤解し、時にはそれが人間だけでなく
生きとし生けるものを絶滅にさえ向わしめつつあるのではないかと思うことがある。
進歩のかげに退歩しつつあるものを見定めてゆくことこそ、われわれに課されている、
もっとも重要な課題ではないかと思う」
「忘れられた日本人」より宮本常一著 岩波文庫
とあります。 一人一人が考えていくこと。その中で自分ができることをしていくこと。
日々、自分の頭に置きながら過ごしていきたいと思います。
今回、お話しいただいた平賀緑さん 本を出版されています。
「植物油の政治経済学」昭和堂 ご興味いただけた方はILcieloにも置いておりますし
図書館でリクエストしてもらえたら。とのことでした。