先日、毎月している読書会で「食べるとはどういうことか」著者 藤原辰史さん
を読みました。子ども(12歳~18歳)と共に対談形式での本です。
「食べるもの」の裏側には必ず「餓え」というキーワードが対になっている。
「自分はずっと政治的な出来事ゆえに人間たちが餓えた歴史に関心を抱いてきた」
第1次世界大戦と第2次世界大戦という二つの大きな戦争に飢餓とそれへの恐怖が
深く関わっていたことに氣づいてから、「食べる」という現象にとりつかれていた。と
まえがきでありました。
藤原さんからの言葉に、
「シンプルな目線で、ことばを大切にしながらものごとの芯の部分を見抜く試みを続けること。
つまり「考え抜くこと」は人間にとってとても大切な行為。
そうしないと世の中の仕組みを表面的にしか理解せず、簡単に「えらい人」にだまされやすくなりますとありました(笑)
「食べる(生きる)ということは何かのいのちを殺すということ」
「わたしたちが食べるということは、人間がひとりでやっていると思っているけれども
それは大きな勘違いで、菌の力を借りてようやく食べているということになる」
「一番大きな問題、日本も世界もそうなんだけれども食べものが大量に捨てられている。
ものすごい大量に捨てられていて、これだけでアフリカ大陸のサハラ砂漠以南の餓えている人を救えるくらい日本人は捨てている。」
「食べるとはどういうことか?」
この今の時代、本当に恵まれている時代に生きていると思う。
いろんなことを選択できる。いろんなものが溢れている。
だからこそ、できることもきっとたくさんある。
日々、自分に何ができるのか?考えていきたい。
次回は、「土と内臓」 この本はこの著者の藤原さんと自然農の友一くんもお薦めしていた本で
とても読んでみたかったのです。藤原さんの説明より
世の中の見方を一気に変えてくれる本。土壌内と腸内の世界が似ているという発見はとても刺激的ですが、それとは別に面白いのは著者のひとりであるアン・ビクレーががんに侵されてから食事を変えていくシーン。繊維質のたっぷりある野菜をたくさん食べて微生物の棲家を増やしていくことで
体の免疫力を強くしようというプロジェクト。いまの肉中心の食事を見直すきっかけにもなる本のようです。
藤原辰史(ふじはら たつし) 今回の本の他にも以下の本が出版されているようです。
「ナチス・ドイツの有機農業」「カブラの冬」「ナチスのキッチン」「稲の大東亜共栄圏」「戦争と農業」
「トラクターの世界史」「給食の歴史」「食べること考えること」
興味持たれた方は読まれてみてくださいませ。